この記事は、以下のような方に読んでいただきたいです。
- 生命保険の掛け金が適切か不安…!
- 終身保険と定期保険ってどっちがいい?
- 生命保険ってどんな種類があるの?
- 養老保険ってなに?
あなたは、今加入している生命保険の掛金額や内容をキチンと把握していますか?
この質問に答えられる方は極めて少数のはずです。
なぜかというと、保険屋さんはあなたにわざと保険の内容を理解させないようにしているからです。
この記事では、保険屋さんが絶対に教えてくれない「終身保険よりも定期保険の方がお得な理由」を以下の2つの観点からご説明します。
- 終身保険(貯蓄型)と定期保険(掛け捨て型)の内訳の違い
- 保険屋さんが加入する保険とは?
また、最終的にあなたがどのような生命保険に入るべきかについても、しっかりと根拠を提示したうえでご紹介します。
早速説明に入りたいところですが、より内容を理解していただくために、まずは以下の2点について軽く説明させてください。
- 保険屋さんがあなたに保険の内容を理解させたくない理由
- 生命保険の種類
ぜひ最後までご覧いただけると、嬉しいです。
保険の内容を理解させない理由
冒頭でもお伝えしましたが、保険屋さんはあなたにわざと保険の内容を理解させないようにしています。
その理由は、複雑な保険の内容をあれやこれやと説明することによって、あなたを”情報負荷による思考停止状態”にするためです。
簡単に説明すると、以下のようなセリフをあなたに言わせようとしています。
では、なぜ保険屋さんは「オススメはどれ?」と私たちに言わせたいのか?
その理由は、より自分たちの儲けとなる保険商品をごく自然に提案できる環境になるからです。
逆の立場になって考えてみましょう。
もしあなたが保険屋さんだとして、お客様に「結局オススメはどれ?」と聞かれたら、どのような保険をオススメしますか?
あなたの回答が上記のようなものだと要注意です。
少しひどい言い方をすると、保険屋さんはあなたのパートナーを装ったプロの営業マンです。
彼らが「より自分たちの儲けとなる保険商品」を売ることは、決して不自然な話ではなく、むしろサラリーマンとして当然の行動です。
つまり、私たちが「結局オススメはどれ?」と選択権をゆだねた際に、保険屋さんが以下のような高額な保険を勧めてくるのは極めて合理的です。
- より保険会社の利益になる保険
- 自分の営業ノルマを達成できる保険
以上が、保険屋さんが私たちに保険の内容を十分に理解させたくない理由です。
また、保険屋さんの儲けとなる商品の正体は、この後説明する貯蓄型の保険であることを覚えておいてください。
生命保険の種類
次に、生命保険の種類について紹介します。
代表的なものには定期保険と終身保険、そして近ごろ加入数の多い養老保険があります。
保険名 | 定期保険 | 終身保険 | 養老保険 |
分類 | 掛け捨て型 | 貯蓄型 | 貯蓄型 |
保証期間 | 一定期間 | 一生涯 | 一定期間 |
返金制度 | なし | あり | あり |
保険料 | 安い | 高い | 最も高い |
それでは一つずつ紹介します。
1.定期保険
定期保険は、保障期間が一定期間内のみ有効です。
基本的に月々の保険料が貯まらない掛け捨て型であり、その分保険料が割安です。
2.終身保険
終身保険は、保障期間が一生涯続きます。
掛け捨て型とは反対に、月々の保険料が貯まる貯蓄型であり、将来保障が必要でなくなった時に、貯めた分が解約返戻金として返ってくるのが特徴です。
保険料は定期保険より少し割高です。
3.養老保険
養老保険は、定期保険と終身保険の特徴を良いとこ取りした貯蓄型の保険です。
保障期間は一定期間であり、満期時には死亡保険金と同額の満期保険金が返ってきます。
また、保障期間の途中で解約しても解約返戻金が返ってきます。
一見いいとこ尽くしの保険に見えますが、保険料は一番割高です。
ではこれより、本記事のメインテーマである終身保険(貯蓄型)よりも定期保険(掛け捨て型)の方がお得な理由を説明します。
終身保険より定期保険の方がお得な理由
1.”運営経費”が安い
以下の図は「生命保険の嘘」(後田亨 大江英樹 著) を参考に作成した、定期保険(掛け捨て型)と終身保険・養老保険(貯蓄型)の内訳を表したものです。
ここでは、掛け捨て型の掛け金を月々2,000円、貯蓄型を月々8,000円と仮定しています。
ここで着目していただきたいのが運営経費という項目です。
運営経費とは、保険会社や代理店の人件費や店舗費などの保険屋さんの儲けとなる費用のことを指します。
この運営経費は、月々の保険料のうちの50%程度を占めるというデータがあります。
(運営経費について)大手保険会社の死亡保険では50%程度と試算されているものもあります。
出典元:生命保険の嘘 後田亨 大江英樹 著
上記のグラフを改めて表にまとめました。
分類 | 掛け捨て型 | 貯蓄型 |
掛け金 | 2,000円 | 8,000円 |
■内訳 | – | – |
保障代 | 1,000円 | 1,000円 |
貯蓄代 | 0円 | 3,000円 |
運営経費(50%) | 1,000円 | 4,000円 |
この例では、貯蓄型は掛け捨て型に比べ、保険屋さんの儲けとなる運営経費を月々3,000円多く負担していることになります。
運用経費はあなた自身への保障代でもなく、将来のための貯蓄代でもない、純粋に「保険屋さんに支払っているだけのお金」です。
自分に見返りのない費用ですので、払わないに越したことはありません。
ではなぜ、掛け捨て型は貯蓄型より運営経費が安いのか?
その理由は、貯蓄代を管理しなくていいからです。
掛け捨て型は内訳の中に貯蓄代がないので、保険会社は私たちから毎月保険料をもらうだけです。
一方で貯蓄型は、将来解約返戻金や満期保険金として返金するために、毎月貯まる貯蓄代を何十年も管理する必要があります。
つまり、定期保険(掛け捨て型)は保険会社の手間がかからず、終身保険(貯蓄型)に比べて運用経費を負担しなくていい分お得であることがわかります。
2.保険屋さんは定期保険に加入する
加入すべき生命保険を手っ取り早く知る方法は、実際に保険屋さんがどのような生命保険に加入しているかを知ることです。
その答えは「生命保険の嘘」(後田亨 大江英樹 著) に以下のように書かれています。
彼らは基本的に「子供が自立するまで、世帯主の万が一に、一定期間、低料金の保険で備える」くらいだからです。具体的には個人向け保険の半額くらいで済むことがある「団体保険」(勤務先を通じて入るグループ保険)を愛用しています。
出典元:「生命保険の嘘」 後田亨 大江英樹 著
要約すると、保険屋さんが加入しているのは以下のような生命保険です。
- 勤務している会社の団体保険や組合保険
- 掛け金が低料金の定期保険(掛け捨て型)
つまり、保険屋さんはお客様には貯蓄型をオススメしているが、自分たちは会社の団体保険や、掛け金が低料金の掛け捨て型に加入しているということです。
これは終身保険(貯蓄型)よりも定期保険(掛け捨て型)の方がお得である証拠にほかなりません。
掛け捨て型と貯蓄型のシミュレーション
ではここで、先ほどの円グラフと同じ条件で、本当に掛け捨て型の方がお得になるのかをシミュレーションしてみましょう。
分類 | 掛け捨て型 | 貯蓄型 |
掛け金 | 2,000円 | 8,000円 |
■内訳 | – | – |
保障代 | 1,000円 | 1,000円 |
貯蓄代 | 0円 | 3,000円 |
運営経費(50%) | 1,000円 | 4,000円 |
シミュレーションは以下の前提条件にて行います。
- どちらも20年間の加入期間とする
- 20年間、掛け金は変わらないものとする
- 満期後、貯蓄型は”解約返戻金”が戻ってくる
シミュレーションの結果、運営経費が安い分、掛け捨て型の方が72万円お得(120万円-48万円)という結果になりました。
分類 | 掛け捨て型 | 貯蓄型 |
掛け金 | 2千円 | 8千円 |
■20年後 | – | – |
掛け金総額 | 48万円 | 192万円 |
運営経費総額 | 24万円 | 96万円 |
解約返戻金 | 0円 | 72万円 |
実質総額 | 48万円 | 120万円 |
シミュレーション結果を文章でわかりやすく表すと、以下のようになります。
- 掛け捨て型:20年間で48万円払い、そのうち24万円が保険屋さんの儲け
- 貯蓄型:20年間で120万払い、そのうち96万円が保険屋さんの儲け
- 運営経費が安い分、掛け捨て型のほうが72万円お得という結果になった
あなたが加入すべき生命保険は?
では、具体的にどのような生命保険を選べばいいのでしょう。
その答えはまず大前提として、運営経費が安く、保険屋さんも加入している掛け捨て型の定期保険であること。
さらに、「難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!」(山崎元 著)という有名な著書には、以下のように書かれています。
ネットの保険会社で、子供が自立するくらいまでの10年~20年、最低限の期間に掛け捨て型で、『残される家族の人数』×『1000万円』くらいの死亡保障だけの特約のないシンプルな保険に入るといい。
出典元:「難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!」 山崎元 著
以上を踏まえ、あなたが選ぶべき具体的な生命保険は、最低限の期間を保障する掛け捨て型のネット型定期保険と言えるでしょう。
ぜひ、参考にしてください。
(2024/11/21 17:38:19時点 楽天市場調べ-詳細)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事の内容をもう一度まとめてみましょう。
- 保険屋さんは、自分たちの儲けとなる保険商品をオススメする
- 生命保険には定期保険、終身保険、養老保険がある
- 定期保険は掛け捨て型に、終身保険と養老保険は貯蓄型に分類される
- 掛け捨て型は運営経費が安い分、貯蓄型よりお得
- 保険屋さんは、掛け金の安い団体保険や掛け捨て型に加入している
- 最低限の期間、掛け捨て型のネット型保険に加入するのがベスト
今回は、終身保険や養老保険(貯蓄型)よりも、定期保険(掛け捨て型)に加入するのがお得という結論でした。
しかし、私があなたに本当に伝えたいことは、保険・貯蓄・資産運用については、人任せにするのではなく、自分で勉強し自分で判断しましょうということです。
保険に限らず、金融商品は基本的に知識がない人をターゲットにし利益をあげるものです。
ターゲットとならないために、まずはお金について学ぶことをめんどくさがらず、自分の月々の収入と支出をしっかりと把握するところから始めましょう。
この記事があなたの人生の一助となりますように。